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ありがとうが 足りなくて

出会ったとき、薄暗い炭坑の入り口で君は狩りをしていた。
「こんにちわ」と話しかけたのに、なかなか返事がない。
(気分を悪くしたのかな?)と心配した矢先、「こんにちは」と返事が来た。

普通の出会いだった。
最初は口数の少ない、大人しい男の子という印象だった。
その後、彼と同期の仲間が増え、彼らはたちまち仲良くなっていった。
私は自分の同期がいないので、彼らの「何をするときも一緒」が羨ましかった。

このゲームではパーティを組んで狩り。というものが、序盤は少ない。
クエストをこなし、1人黙々とスキルを上げる。
私はその事は悪くないと思っていたが、彼らをみるとパーティを組んで同じMOBを狩り
共通した時間を過ごすことが、とても輝いて見えたのだ。

彼はメキメキとレベルを上げ、スキルを上げ、やがて私と同じレベルになった。

7人の小さな小さなギルド。

今振り返れば笑い事になるけれど、何度か大きな試練もくぐり抜けた。
そんなとき、ずっと支えてくれた6人の騎士達。
目立って前に出ないが、気づくと私の後ろに彼がいる。そんな人だった。

ゲーム内でどんなに濃厚な時間を過ごせても、リアルにはかなわない。
彼のリアルは、就職活動をしなければならないし、引っ越しをしなければならない。
レポートや卒業論文も書かなくちゃいけない。

分断されそうになる、バーチャルな時間と、リアルな時間。
その狭間で彼は揺り動かされた。
仲間を置いていくのが忍びない。けれども自分の生活を整えたい。

何度も、何度もこのまま逃げてしまおうと思ったに違いない。
彼は意を決して私に伝えてきた。

「休止したいんだ」

本当は「引退したいんだ」と言ったのだが、私はいつでも戻れるよう休止にしておけと言った。
休止の理由をぺらぺらと喋るわけでもなく、その一言で黙り込んでしまう。

私のほうから質問を投げかけ、休止に至る事情を聞き出し、私は納得した。

「みんなを嫌いだったら無言でやめればいいんだけど、俺、そんなこと出来ないから」

私は思わずこう答える。

「なんていい男なんだろう」

彼は困ったような顔で笑ってみせる。

「あと、けじめつけておかないと自分も踏ん切りつかないところもあってさ」

今度はそういって、照れくさそうに笑う。

彼は目立ったり、余計な事を言ったり、でしゃばったりする人ではない。
いつだって静かに佇んでいたが、信念のある強い青年だ。
私はそれを知っている。そして何度も彼に救われた。

「最後の日まで楽しく楽しく楽しくやろうぜ」私は言った。

無理に引き留めるよりも、最後まで「みんなといて楽しかった」と思ってもらえるように。

彼を含めたギルメンとの時間を、たっぷりと楽しめるよう戦争は全員休ませた。
昔と違ってPCスペックで戦争に入れる、入れないが決定しやすいためだ。


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イベント中のパンダを探した。「なんだよこのドロップ」と文句を言いながら。

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離席した彼を守れないで、死なせてしまった。
慌てて生き戻りでMOBを倒したが、席を離れている彼が起きあがるのには、ずいぶん時間があった。

彼のいないとき、他のギルメンとダンジョンもやった。

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このダンジョンをクリアするのに、7人で通いまくった。
初めてクリアしたときは、全員で大喜びだった。ドロップなんか気にしていなかった。

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よく狩りをした。毎日毎日、7人揃って狩りをした。
この日も、ギルメンではないけど、ギャル曽根ならぬ。ギャルぬこの異名を持つ友人と
狩りをしまくった。
ギャルぬこが、満面の笑顔で「コルヌス特盛りおかわり~」と無邪気に笑う。
彼と私は顔を見合わせて笑う。

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PVPもよくやった。
「新しい装備にしたんだよ」「新しいアクセ買ったんだよ」そんなとき、うちのギルメンは
みんなに見せびらかしたり、対決して強さをはかったりした。

彼が面白がってデバフを並べる。

「かけるだけかけてやる」と悪戯っぽい目をくるくるさせる。

Cabal(Ver1310-080817-1408-0000).jpg

ギルメンが集まればダンジョンに行く。
おそろいの装備になったねと、お互い喜び合う。

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皆オーラが違い、お互いのオーラエフェクトをうらやましがる。
このダンジョンも、ギルメン7人で何度も挑戦して、気軽に通えるまで時間がかかった。
彼がクエストの進行をしてくれた。
なんでも一度やれば覚えてしまう彼。 だからといって命令するわけでも、偉ぶるわけでもなく
裏方の仕事もこなしてくれた。

戦争でもそうだった。
地味にみえるが大切な場所を、彼は快く防衛してくれた。
楽そうに見えるが、とてつもなく神経をすり減らす場所。責任の重い場所に彼はいつもいた。
文句を言うわけでもなく、淡々と作業をする。それが彼だった。

そして昨夜。もしかしたら、この空間で彼と会うことはないのかもしれない。
ふらっと気が向いたら、また現れるかもしれない。
私も彼も、それはわからない。

「これ、みんなで使えるものって考えて買っておいたよ」

唐突に渡されたアイテム。

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「これならギルメン全員で使えるよね」と笑った。

「私のものにしちゃおっかな」と私も冗談を言った。

彼の装備は仲間へのプレゼント代に消えて、しょんぼりした武器になっていたけれど・・・。

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区切り。
私はそう思う。
ここで区切らないと、彼は私や仲間を裏切れなくなる。
しかし区切らないと、自分のリアルがダメになる。
何度も区切ろうとして、彼は私たちを選択してくれた。
「夜は一緒に狩りする人が少なくて」と愚痴を言ったら、彼は友人に

「みなん見かけたらPTしてあげて」と伝えて、リアルに戻る優しい人だ。

感情的な私が激昂したとき、いつも冷静に話しをしてくれた。
彼がいなかったら、いや、今の7人誰が欠けても、ギルドは存続できなかったろう。

問題の多いギルマス(つまり私)を支え、守り、励まし、笑顔をくれた。

この空間で会うことはないかもしれない、あるかもしれない。
でも繋がりは消えない。

ありがとう。本当にありがとう。
そして、これからもよろしく。
どんなことも、どんな場所でも君なら乗り越えていけるよ。
人を大切にしてばっかの君だけど、自分を優先するのに罪悪感はいらないんだよ。
みんな君が大好きで、みんな君をいつでも待っている。

照れくさそうに「こんにちは」って現れても大歓迎だよ。

暗い炭坑入り口でぽつりと君の言った言葉。

「なんでこんなキャラ名にしちゃったのかな」

なぜかそんな小さな言葉が、鮮明に蘇った。
すいません(;´Д`)

ちょっと小説チックに書かせてもらいましたw
ギルメンのくぅちゃんが、就職活動のため休止することになりました。
文体は小説チックですが、内容は本当の出来事です。

言葉を並べて「ありがとう」を言いたいけれど、なんだか陳腐になりそうで、悩みました。
これは「くぅちゃんがインしなくなる」という寂しさを、自分に言い聞かされる意味でもありました。

ただ私は、サービス終了して4年経った今でも、前のゲームの友人とは交流があります。
結婚や出産、離婚、就職、あのころと環境は違うけれど、たまに交流があるときは
あのころの時間に逆戻りして、「あのころとは違うんだね」と確認をしあいます。
時間を共有した仲間とは、所詮ネットとはいえ事実です。

くぅちゃんに出会った事を感謝して。
一緒に遊んだ時間と思い出に感謝して。

                                                      美楠
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genre : オンラインゲーム

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くぅちゃん>>

1年半以上一緒に過ごしたんだよねぇ~。
そう考えると凄いことだなって思いました。

たんくんが泣いて泣いて手がつけられないので(´∇`)ケラケラ
時々はメッセに遊びにきてくださいねw

FBのスキル見るだけで泣き出すんだよ 。・゚・(ノ∀`)・゚・。
プロフィール
☆ヴィーナス WIZ レベル163 ☆マーズ FA レベル111 PSは皆無ですが、いじめないでねw

姫川 美楠

Author:姫川 美楠
CABALオンライン、ヴィーナス鯖、
マーズ鯖で遊び倒しています。
好きなことだけやりたいです。

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